こんにちは、川畑です。
みなさん有名な投資家ウォーレン・バフェット氏が彼の死後に妻に残した運用アドバイスをご存じですか?
このようにアドバイスしています。
「私のアドバイスはこの上なくシンプルだ。現金の10%を米国の短期国債に、
残る90%を超低コストのS&P500のインデックスファンドに投資しなさい。
ヴァンガードのファンドがいいだろう。
この方針なら、高い報酬のファンドマネージャーを雇うどの年金基金、
機関、個人の出す結果より長期にわたって良い成績を上げられると思う」
S&P500とは、米国の株式市場に上場する大型株500銘柄で構成されいます。
TOPIXと同じように時価総額を指数化しています。
多分、この妻へのアドバイスをどこかで見て次のような質問を受けることがあります。
「米国のS&P500という指数に連動する投資信託を買っていればいいんですよね?」
私の答えは「NO!」です。
バフェットの運用アドバイスを疑え?
もちろん、バフェット氏の言う事は間違いではありません。
株式投資をするには、覚えることも多く勉強を続けないといけません。
それができないのでしたら、インデックス指数に連動する投資信託等で運用するほうが、間違いはないということです。
そもそもS&P500は、TOPIXと同じように時価総額を指数化していますが選ばれるのが500銘柄です。
TOPIXは、約2000銘柄です。
単純に言えば、業績の良い500銘柄を入れ替えているのですから、
業績の悪い銘柄は入ってこないのです。
だから銘柄を選べないのでしたらS&P500にしておけば、よいということなのです。
ただし、私が「NO!」という理由はS&P500だけ、というのはよくないということです。
まず、バフェットの妻と違って日本で生活するのでしたら「為替」も考えないといけません。
S&P500に連動する投資信託では、株式のリスクにプラスして為替のリスクもあります。
為替が今よりも円高になってしまったら資産が目減りしてしまうのです。
もう一つは「分散」が大事ということです。
米国株の指数であるS&P500は、超・長期的に見れば、ずっと右肩上がりです。
ですが、複数の資産クラスの年間リターンを見ると、毎年順位が異なります。
リターン1位と最下位も毎年違います。
前年最下位だったものが、翌年リターン1位になることも多いです。
もし、この先1年間で最もリターンが高くなる資産が何かわかっていれば
次の1年間は、すべての資金をその資産に投資すれば、大きく儲けることはできます。
ですが残念ながら、金融のプロであっても将来どの資産のリターンが高くなるのかを正しく言い当てることは、とても難しいのです。
2020年3月のコロナショックも誰も正確に言い当てた人はいませんでした。
なぜ、プロでも値上がりする資産を当てられないのか?
株式や債券の市場には、多くのプロが経済の先行きや他の投資家の動きを予想して先回りしようとしています。
なので抜け駆けするのは、簡単ではありません。
例えば米国経済が調子良さそうだと予想し米国株を買うのが当然だと
多くの投資家が同じように考えて購入すると値上がりします。
個人投資家が気付いた時には、すでに割高になっているケースもあります。
逆に多くの投資家が値上がりを期待していない資産は買う人が少なく割安になっています。
この割安な資産の価値が見直されれば大きく値上がりすることもあります。
この予測は不可能ですから、分散することが大事なのです。
私は投資信託の積立は、ある程度使えるお金と位置付けています。
仮に一部を売却して使っても、積立は、ずっと続けるのは前提ですが
使えないお金にしないように分散することをお勧めしています。
そもそも、バフェット氏は現金の保有比率もとても高いのです。
世界でもトップクラスの大金持ちの戦略と一庶民の戦略は、同じではありません。
保有している現金が違うからです。
使い切れないほど現金があればS&P500に全力投球でも良いですけどね。
日本で暮らしているのに外貨は必要?
先ほどもお伝えしましたが、バフェットと違って日本で投資するのでしたら「為替」も考えなくてはいけません。
また私は、普通の日本人でも、外貨を保有することは大事だと思っています。
なぜかと言うと、私たちは日本に住んでいても直接的・間接的に外国の製品やガソリンなどの資源を使っています。
輸入品ですね。
輸入品は、為替レートで価格が大きく変わってしまいます。
ガソリンは、100%近い割合で輸入しています。為替が変われば、価格に直接反映します。
さらに言えば、日本のメーカーの商品も国内で作られているものは、少ないです。
例えば服や下着も日本製じゃないですよね?
また、食品も輸入品が多いです。
小麦粉等は、輸入に頼っていますので円安になると、麺類や小麦を使ったお菓子など高くなります。
最近は、価格は据え置きで内容量が少なくなっていたりします。
日本で生活していても「為替リスクにさらされて」いるのです。
さらに少子高齢化が進むと考えられていますので、
食品や日用品は、さらに輸入品に頼らざるを得ないでしょう。
資産の一部を外貨建てで保有しておけば円安の時には、外貨が高くなります。
円に換金したら、多くの円に換えられるってことです。
円安になって、輸入品が高騰しても安心ですよね。
ただし為替の動きを予想するのは、とても難しいので、
外貨を準備すると決めたら、一度に外貨にするのではなく
時間をかけて分散して外貨、または、外貨建ての金融商品に換えることです。
海外の株や債券の投資信託でも、間接的に外貨を保有しているようなものです。
投資信託の積立でも。十分に為替に対応できます。
積立で外貨の定期預金も悪くはないのですが、
国内での外貨の送金には、とても手数料がかかります。
直接的に外貨を保有するのでしたら外貨建ての運用手段がたくさんある金融機関で換金してくださいね。
また、外貨を保有するのでしたら米ドルが安心です。
為替レートの情報も比較的簡単に取れますので、安く仕入れるチャンスがわかり易いですね。