こんにちは、川畑です。
「米国株は今までずっと上がりぱなしだから、今後も上がって行く」
こういった事を最近よく耳にします。
直近の数十年の傾向を都合よく解釈しているだけのようにも思えますね。
投資の世界では、今まで通用していたルールが、全く通用しない事態も起こりえます。
最近の米国株の流行には、少なからず危なさを感じています。
お金さえあれば、どうにかなる? それは本当か?
経済や株式市場は予測できませんが、最悪の事態が起きた時に自分で対処できるのか、よく考えて欲しいのです。
投資の世界で「絶対」や「100%」は、ありません。
米国株でも暴落する可能性も、十分あります。
もしあなたが持っている資産が半分になってしまったら、あなたはどのような心境になるのか?
そういった事を、考えていきましょう。
投資でずっと勝ち続ける事は、あり得ないからです。
私は投資をする時は「目的」を明確にします。
なぜかというと、お金を使う目的によってリスクの取り方も変わるからです。
「この銘柄はどうですか?」と、よく聞かれるのですが、それは投資をする目的によって、良いか悪いかは変わります。
銘柄の診断ばかり求める人ほど「目的」を持って投資していない方が多いです。
「お金さえあれば、今の自分の状況から抜け出せる」といった幻想を抱き、
お金や投資に期待し過ぎているのではないでしょうか?
そういう方ほど、最悪の事態が起きた時に、悲惨な目に遭うのだと思います。
投資のリターンは、リスクと同義語です。
大きく増えるものは、同じくらい大きく値下がりするリスクがあります。
リスクのコントロール方法が分からないまま安易に投資をする事は、とても危険です。
リスクが少なく大きく増える投資はあり得ない?
またリスクが無く、大きくリターンがくる。
そんな夢のような投資はありません。
ところが何故か誤解している方が、いらっしゃいます。
以前の我が家の家計は、毎月6万円マイナスで、ボーナスで補填していました。
それが、毎月6万円もプラスで貯蓄できるようになりました。
と、いう記述を見て、毎月6万円で6年で2000万円に増えたと勘違いしてしまう方がいます。
月6万円を6年で2000万円にするには42.9%ものリターンが必要です。
リスクの大きいFX取引でも30%のリターンと言われています。
40%以上のリスクの大きい投資を、子どもの教育費を貯めるのに使いません。
2000万円に増やした時の元本は、その半分くらいの1000万円くらいです。
もちろん、元本の話もしていますが、自分に都合の良い部分しか頭に残らないのでしょう。
では、実際どのくらいのリターンで増えたのかというと平均で15%程度です。
それでも十分にすごいことです。
預貯金で準備していたらあり得ないリターンです。
リーマンショックの後に、すべての資産がマイナスになってもコツコツ積立をしていたので投資信託の積立では、考えにくいほど高リターンだったのです。
マイナスを経験したからこそ、「超・回復」したのです。
投資と聞くと、魔法のようにお金が増えると勘違いしてしまうのでしょうか?
逆に言うと、15%減らしていた時期もありました。
リスクとリターンは、表裏一体です。
投資は魔法ではありませんので、タネ金が必要です。
投資するお金が少なければ、少ししかリターンも増えません。
最初は、少ない額でも良いのでコツコツ続け、それを使わずに、さらに投資額を大きくすることでお金は増えていきます。
そもそも毎月6万円の赤字を克服したら年間72万円の節約です。
まずは、節約から始めましょう。
なぜ長期投資は「投資の基本」なのか?
また長期投資は、投資の基本です。
長期投資の4つのメリットをお伝えしましょう。
1)複利効果を活かせる
2)日々の値動きに一喜一憂しなくて済む
3)売買コストを抑えやすい
4)積立投資との相性がよい
長期投資のメリットとして1番高いのが「複利効果」を活かせることです。
複利とは、元本だけでなくその利子にも利子がつく状態のことです。
雪だるまを作る時、くっついた雪の上にさらに雪を重ねて作りますよね。
そのイメージで利子がさらなる利子を呼んでくる状態になります。
株が上昇している時に運用で得た利益を、そのままさらに運用に回せればどんどんお金が増えていきます。
そして投資している期間が長くなればなるほど、その効果は高まりお金が増えるのです。
ちなみに銀行の普通預金は「単利」です。
もともとの元本に対して利子がつく状態ですね。
これでは、お金が増えるスピードは、複利よりかなり遅いのです。
金融庁の「資産運用シミュレーション」は分かりやすいので是非、いろいろシミュレーションしてみてくださいね。
https://bit.ly/31No1nE
ただし注意して欲しいことがあります。
「長期投資だから失敗しない」ということではありません。
長期投資でも選んだ銘柄が悪ければ、元本割れすることもあります。
銘柄の選び方、そしてひとつの資産に集中しないなど注意点は、いくつかあります。
最もやってはいけないのは、ランキングなどで上位の銘柄だからと、自分の頭で考えずに投資してしまうことです。
まずは、何の目的で投資をするのか?
その目的にあった銘柄なのか?を調べてみることです。
長期投資でほったらかしてはいけない「あること」とは?
長期の積立投資は、しばしば「ほったらかし投資」といわれます。
毎月積立をしているので、買うタイミングを測ることもありませんね。
さらに国内だけではなく国外にも資産を分散投資しているのでしたら、短期的な値下がりや値上がりはあまり気にせず積立を継続することで一定の効果が期待できます。
もちろん数年に一度はリバランスした方が良いのです。
何もしなくても大きく失敗することはありません。
よく分かっていなく下手にやってしまうよりかは、専門家に見直してもらうかそのままにしていた方が良かったりもします。
ただ1つだけ必ずやって欲しいことがあります。
それは、
家計における投資に回す資産の割合を計算することです。
例えば、収入が上がったならば掛金も大きくするということです。
アメリカやイギリスの制度をみると給与の一定率を積立する仕組みになっています。
つまり給与が上がると投資する金額も上がるというわけです。
これは自動的に上がるので、自分で何か操作をする必要はありません。
ところが日本のNISA制度やイデコの制度は「定額」なのです。
自分で掛金を上げていくしかありません。
また非課税額もそれほど多いわけではないのです。
長く投資を続けていけば、年間120万円という非課税枠は、とても少額です。
収入が高い人は、非課税枠にこだわると投資できる割合が少なくなってしまいます。
ちなみに、米国の401kでは、最初は給与の3%程度からスタートします。
そして徐々に拠出率を上げていくことも可能なんですね。
投資は「元本」が多ければ、もちろん増えるお金も大きくなりますよね。
積立投資をするのでしたら、昇給に合わせて投資額を見直す必要がありますね。